スピカのなんとか生きる日記

30代、男、ゲイ、毒親育ち、現在無職のなんとか生きる日記

人を雇うにも、人が辞めるにも

ワレガワレガな人が怖い

『みんなでやろう』を標榜し、上司部下がない会社に、近隣のアジア圏出身の方が役員待遇で入社してきた。取締役のひとりと同じ出身だそう。

大まかな日本語は理解できるが、込み入った話は難しい。
そして、彼は声が大きいが具体的なことはよく分かっていない、『勢い』の人だった。
自身の過去の実績や勤めてきた企業でのやり方を強く主張し、『ワレがワレが』と、自己主張が強いきらいが見えた。
因みに、その役員を誘い入れた外国籍の経営陣も日本語が覚束なく、勢いだけで熱くなる人だった。
言葉の壁。

この新しい役員は、この会社の社風からは少し『異分子』だった。
派手な自己主張はせず、理解し合おうと努める社員が多い風土だったが、その中で彼は主張や圧が強かった。

初見で『正直ヤバそうだな』と思った。直感。
でも、仕事を推し進める上では、グローバルに活躍するには、この『ワレが』感が必要なのかもしれない、きっとそうだ!とひとり自分を納得させた。

嫌な直感は当たるもの。
彼は雄弁に語る。今度の新規事業を『キラキラ、ワクワク、ドキドキ』といった言葉で修飾し、熱く。
私が仕事で調整しなければならないのは、『込み入った部分』。
そういった『ざっくりDREAM』を述べられても、具体的な仕事は進まない。

彼は、主張は強い反面、込み入った話になると『ニホンゴムジュカチイネ』と逃げた。
それが続く度、私は困惑、疲弊。
おまけに、こちらからの確認事項は放ったらかしだった。
にも関わらず、業務が遅れているのは私のせいだと役員会議で報告されていた。
平気で人のせいにできるのね、、、怖い。やられる。

私の部署には、上司やリーダーもおらず、入社したばかりの私は、誰に助けを求めていいかもわからず、圧の強い新役員との仕事でストレスを溜め続けた。

脆く、堪え性のないダメな私は、その彼とのプロジェクトにおいて最低限の役割を果たした後、退職した。

思うに、新卒、中途関係なく、新しく入社した人には既存社員のサポートが必要不可欠。ワレガワレガで癖の強い人との折衝など特に
会社のことも分からず、キャッチアップが必死なときに更に無駄にストレスを与えるのは会社として中長期的にみて損失だろう。
また採用活動をして時間を使い、エージェントに無駄金を払うこととなるのに。

因みに、そのワレガ系役員も、私が退職して1年経たないうちに退職している。
複数回転職してみて分かったが、新規事業や経営企画などで鳴り物入りで入社してくる『発言に勢いがあり、キラキラした言葉を巧みに使い、他社での実績があるように見える人』は、口ばかりが達者で、実績を上げることなく早々に退職する。
高待遇渡り鳥、羨ましい限りだ。手八丁口八丁。

 

会社にヘイトを溜めた前任者

私はこの会社に前任者のリプレイスとして入社した。
どうも私の前任者は会社にヘイトを溜めて、怒って退職したらしかった。
彼は仕事に関わるデータを全て消して去った。
立つ鳥跡を。
引き継ぎもなくひとりリモートする私。虚無。

漏れ聞く話によると、前任者はデフォルトの性格として偏屈で頑固。
そして経営側によく意見をしていたらしい。
意見するも通らず、ヘイトを溜めた。そしてデータをデリート。
私も何度も転職しているが、さすがにそんなことはしない。

引き継ぎがないので、私は、過去の業務をサルベージするというマイナス地点から業務をスタートさせるより他なかった。
何も情報がなく、同じ部署の人、上司等もいなかった。
私はどんどん追い詰められ孤立していった。

因みに、私の後任も短期で離職している
会社として受け入れる体制が整っていないのに、人員確保だけ急いだからだろう。
人事主体の採用は、中途採用には向いていない。
雰囲気重視でいいことだけを言う、一緒に働くわけでもない人事に何がわかると言うのか。

人を雇うにも、人が辞めるにも理由があるし、面接なんかじゃその本当の理由はわかんねぇ。
会社も求職者も本当のことなんて言わないんだから。
ここも優しい会社だったが、業務をひとりに任せっきりだし、特定の部署だけ人員が余っているのに人員増を繰り返してたな。
そりゃヘイトを溜めるよね。理解はできる。

 

違和感を合理化してもダメ

入社前に感じた違和感は、入社後に『やっぱりな』と思うことが多い

この会社に対しても、いい会社だが『直感的にはなんか違う』と感じていた。
結果、前任者からは何の引き継ぎもなく、圧の強い外国人と伝わらないコミュニケーションで浪費させられ、『みんなでやろう』を標榜するも私には仕事の話ができる仲間がひとりもいなかった。

直感を信じず、なんとか入社先を合理化し、いい理由を自分に信じ込ませようとしても、なかなか直感は最初に見抜いている。

ただ、全部直感に従っていては、就職にありつけない。
誰もが認めるほど優秀な人ならいざ知らず、学歴もスキルも、コミュニケーション能力も突出したところのない私は、選べるほどの人材ではない。

掃いて捨てるほどいる、その他大勢。
でも、直感も大切にしないと、失敗に失敗を重ねることになる、トホホ。

人を募集している会社(増員も欠員も新規募集も)、
人が辞めると決めた会社(本人都合も、会社都合も)、
それぞれ理由があって、その理由は求職者が調べたところで、面接受けたところで、会社にも求職者にも全然わからないもの。
何回も何回もくじ引きをできるわけじゃないから、これも多分運。

 

フーテンNOW

そうして私は、次の会社を決めずにプーになった
あれほど必死に、薄給から、ストレスを溜め続けながら貯めた貯金を切り崩しながら生きる。
なんかいい仕事見つかるかもしれないと、淡い夢を見ながら。
就活始めたら、空白期間の長さから、社会から弾き飛ばされ、今までの転職以上に心がへし折られるだろうと安易に想像できると知っていながら。

失えば失うほど、どこか本質的に、根源的に必要なものが見えてきて、より強くなれるのではないかと儚い期待を胸に。
なんとかなるさ、を人生で初めて信じてみようと思う(l果てして今なのか?)。(続く)